2025年始のご挨拶

2024年は私にとっては2年目の議員生活となり、1年目以上に多くのチャレンジがあった年となりました。

杉並区ではグリーンインフラによる流域治水対策開始、気候区民会議の開催、学校教室最上階の断熱改修、区役所本庁舎の100%再エネ化、リユース容器の取組、みどりの基本計画の抜本的な見直し、など議会での質問や要望を通して訴えてきたことが少しずつ形になっていく現場に立ち会うことができました。
12月9日の第4回定例会最終日の本会議では、少数会派議員6名による議員提出議案「国際社会と将来世代に1.5℃目標の責任を果たす第7次エネルギー基本計画改定を求める意見書」が24:23で可決され、無事、国に意見書を提出することができ、ひよっこ議員としても頑張り甲斐のある一年でした。

他方で、現行の社会制度を前に力及ばず、杉並の貴重な自然を失ったことなど、無念と大きな課題意識を胸に刻んだ一年でもありました。
この夏の猛暑や度重なる自然災害を思い起こすと、気候危機への適応策・緩和策としての日本の政策や社会の変革はまだまだ不十分です。
世界がダメ、国がダメ、と批判するだけでなく、自治体単位で出来ることは沢山あることに引き続き注目し、経済合理性を示しながら実現可能性を高めていくべきだと考えています。

気候区民会議でのテーマでもあった「エネルギー・交通・みどり・循環型社会」の4分野を特別区で全てカバーすることには枠組として限界がありますが、同時に、より実践レベルで脱炭素政策をくらしに落とし込んでいけるのが自治体の力です。

2030年まであと5年。待ったなしです。

来年も同志議員や行政の皆さん、区民の皆さんと協力しながら、一歩ずつ脱炭素社会の実現への道を拓いていきたいと思っています。
塩野七生さんのコラム「宴のあと」(文藝春秋2024.12月号)に、小林秀雄氏の一節が記載されていました。
「政治は、或る職業でも、或る技術でもなく、高度な緊張を要する生活なのであり、従って、プルタルコスに描かれた人たちは、どこでもどんな場所でも各人の全体的な経験を表しているように見える」とあります。
光の速度で情報が行き交い、ともすれば真実を見失いそうになる今の時代において、どのように受信しどのように発信するかが問われています。
受信と発信のあいだに「自分」という軸を持つこと、日々の経験すべてが政治に繋がっていると意識すること、限られた任期の中で自分がやるべきことを見極めることを肝に銘じて、来年も精進して参ります。

2025年 新春 ブランシャー明日香